サンフランシスコで行われた米国臨床腫瘍学会の消化器がんシンポジウムに出席しました.
私も研究メンバーに入っています九州の膵癌化学療法に関する臨床研究グループ(NAPOLEON study)から2題の研究報告がありました.

ひとつは大分大学の先生から,現在進行膵癌の標準治療とされているゲムシタビン+ナブパクリタキセル療法やFOLFIRINOX(フォルフィリノックス)療法の効果が乏しくなった後の二次治療に関する発表でした.
血液検査でのアルブミンと腫瘍マーカーであるCA19-9が重要で,その数値によっては二次治療の効果が見込めない場合もあることがわかりました.
J Clin Oncol 38, 2020 (suppl 4; abstr 649)
もうひとつは久留米大学の先生から,同じく二次治療において複数の抗がん剤を組み合わせた治療法がいいのか,もしくはひとつの抗がん剤を使って治療したほうがいいのか,という発表でした.
二次治療としては単剤で治療しても複数の組み合わせで治療しても効果に違いがないことがわかりました.
J Clin Oncol 38, 2020 (suppl 4; abstr 661)
今後も同研究グループから様々な報告がある予定です.